ゴールデンレトリバーの「ちぃた」♀です。
ちぃたと夜のおさんぽ。
ふと、川の方に目をやると懐かしい姿が。
秋になるとやってくる渡り鳥である。
いや、たぶん渡り鳥である。
当然ながら鳥の種類は知らない。
連日の暑さで秋をなかなか感じられないでいたが、
やっぱり秋なのだ~。
(ちぃた口調になったが気にしない)
そうだ!たぶん渡り鳥もブログで紹介しよう!
と思い、iPhoneを取り出してシャッターを切った。
パシャリ!
その時、たぶん渡り鳥の目から妖しい光が解き放たれた。
あ、光った。
私はなぜか、たぶん渡り鳥の光る目をじっと見続けた。
どれくらい見続けただろうか。
目の前がだんだん真っ白になり、周りの景色も歪みはじめた。
そのまま気を失いそうになったとき、
景色は再びハッキリとした形を取り戻し、私の意識を呼び戻した。
なんだったんだろう。。。?
焦点を遠くに合わせると、さっきまで居たたぶん渡り鳥はもういなかった。
何やら胸騒ぎがし、ちぃたの方に目を向けた。
しかし、そこに黄金の獣の姿は無かった。
ちぃーたーっ!
愛犬の名を呼びながら辺りを見回すが全く気配は感じない。
私は握っていたピンクのリードを見つめた。
さっきよりほんのり薄いピンクになっている気がした。
おーい!
突然、美しい声が私の右耳を刺激した。
私はすかさず声がした方を見た。
そこには、五分刈りでヒョロっとした色白の女性が立っていた。
ナターシャ!?
私は驚きを隠せない顔をしながら口を開いていた。
ナターシャの隣には、背が低く、眼鏡をかけた男がいた。
ジョルビだ。
ジョルビまで?どうしてここに!?
ナターシャとジョルビは、先の大戦での戦友だ。
そう、あの忌まわしき大戦。第5次忌まわしき大戦だ。
あれから時は経ち、今では懐かしさを感じる。
だが、懐かしさを最大限に感じるにはピースがまだ足りない。
二人がいるということは、ゲンジロウもいるはずだが?
ゲンジロウはどうした?
私は二人に当然の問いかけをした。
ゲンジロウは、、、もう、、、
ナターシャが声を発した。唇をほぼ動かすことなく。
私の頬に、とめどなく涙が流れた。
まるで、涙がとめどなく頬を流れるかのように。。。
-完-